子供たちが大好きなアップルパイ

KAZUE MASAKI の作品エッセイ#001

子供たちが大好きなアップルパイ

米国のスパーマーケットでは必ずアップルパイを見かける。
開拓時代の農民を支えたリンゴ農場で収穫されたリンゴのお菓子は子供たちにとって一番のおやつだったのだろう。
我が家の子供たちが最初に覚えた英単語もApple pie だった。

日本で見かけるリンゴは手を掛けられているせいか大きく形が整っている。
それに比べて米国のスーパーに並んでいるアップルは丸くて小ぶり、いろんな種類が山のように並んでいる。

素朴で身近に感じられる。
サンドイッチと一緒に丸かじりしている青年をよく見かける。

米国滞在中は車で旅行中、しばしばリンゴ農場を見かけた。
古本屋でリンゴ農場のラベルを見つけたときは身近に感じられて微笑ましく、何枚も手に取ってみた。帰国してリンゴ農場のラベルをモチーフに数々の額絵を作成した。
1990年代になり、アップルコンピューターとビートルズのアップル社が目に留まり、モチーフとして取り入れた。
大きな作品に仕上げて公募展に出すと入選し、嬉しい経験をさせてもらった。

その後、ロゴマークをめぐってビートルズとアップルコンピューターが争いとなったことを雑誌記事で読んだ。
和解するためにアップルコンプーターからビートルズ側に和解金が支払われたが、その裁判で両社が弁護士に支払った金額を知ってびっくりしたのを覚えている。

その後2007年に、Apple商標訴訟がついに決着、という記事を読んだ。
米Apple Inc.が登録商標のすべての権利を所有し、英Appleに対し商標の継続的な使用をライセンス供与するということになった。
スティーブ・ジョブズCEOはビートルズを愛しており、お互いに平和的な協力関係を継続したいということで現在に至っている。

表参道のアップルストア

数年前の11月、ロンドンの郊外に住む知人宅を訪ねた。
家の裏には広いリンゴ畑がどこまでも続きていた。
一面うっすらと霜が降りて、歩くとサクサク音がする。

りんごの実がそこかしこに落ちている。
ジャムやお料理に使っても食べきれないという。
英国からの移民が開拓したリンゴ農園、そこで収穫されたアップルたちが食を豊かにし、活躍していることが脳裏に浮かぶ。

アップルレコードの名でビートルズは活躍し、アップルのロゴマークのついたコンピューターは世界中で大活躍。
英米のつながりに今更ながら感動を覚える。

written by KAZUE MASAKI

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